こんにちは!REALTPEC編集部です。今回は、TPECのデジタルエンジニアリングがクルマづくりをどう支えているのか、その意義や使命を理解すべく、エンジニアリング革新部に潜入してきました。取材中、「世界一のデジタルエンジニアリング」という言葉も飛び出しましたよ。ぜひご覧ください!
1997年入社。高まるデジタルエンジニアリングの必要性と機運を受け、開発担当者としてロボットシミュレーション分野を中心にシステム開発や運用体制構築、関連技術である計測・CAE開発を担った。現在はエンジニアリング革新部でチーフデジタルエンジニアとして、全社のデジタルエンジニアリングの開発と展開を率いる。
TPECはシミュレーション技術やデジタルファクトリ(仮想工場)を作ることで、トヨタ自動車様及びトヨタグループの高効率な製造準備を支援してきました。ただ実際の現場では、より複雑な事象が絡み合いシミュレーション通りにならないこともあり、そこは熟練技術者の「カンコツ」に頼ってきました。しかしそれでは人によって、品質、時間、コストにばらつきが出ますし、クルマづくりがより多様化・複雑化する中、熟練者だけでは全てをカバーできません。そこで、シミュレーションへ熟練技術者のノウハウを組み込み、そのシステムをグローバルに共有することで、どこでも、誰でも、どんなクルマづくりにも対応できるようにしていくことが、TPECに求められている使命ではないでしょうか。
開発、実証、展開の全てをできるのが最大の強みです。例えばシミュレータを開発している会社は、自分たちで使っていないケースが多く、現場で本当に何に困っているのか理解していません。TPECの場合、開発しながら現場ですぐに検証できるため、「少し精度が悪かったね」「ここを直すともっとコストが下がる」といったフィードバックが毎日のようにあり、そうした要望を元にソフトウェアの改修・改善が繰り返され、より進化した技術として、日々のプロジェクトに適用されています。このスピード感は、他社に負けないと思います。
私の部署ではさらに高度化したシミュレーション・計測・CAE技術や自動3D形状化などの技術を開発し、いつでもどこでも活用できるようWeb技術と組み合わせ展開しています。近年、デジタルツイン(仮想空間で試作して起きる事象を分析することで、現物での不具合を未然防止すること)が提唱されていますが、TPECはそれを最前線で実行する最もいい立場にあります。メーカー問わずクルマ業界に私たちの技術は広がっていますし、今後は世の中のモノづくり全般にもTPECの技術が活躍できたらうれしい。その日は近い気がしています。
デジタルエンジニアリング分野で、私たちは世界の先端を走っているつもりです。世界一のクルマメーカーを支え、広くモノづくりを支える、「世界一のデジタルエンジニアリング」を目指して日々成長していけることが、エンジニアとしての喜びです。今クルマ業界は100年に一度の大変革期といわれており、デジタルエンジニアリングのグローバル競争もより熾烈になっています。気は抜けませんが、「デジタルエンジニアリングを極限まで高度化させたらどうなるのか」を楽しみにしつつ、開発・実証・展開を続けていきたいと思います。