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「計測」「データ準備」業務は、デジタルエンジニアリングの第一歩。

REALTPEC編集部です。TPECが誇るデジタルエンジニアリング技術において、その基盤づくりを担うのが「計測」「データ準備」と言われる業務です。TPECのデジタル技術を支えるその業務内容とは、どういうものなのでしょう。

T.T

2007年入社。インライン計測業務に携わった後、トヨタ自動車に出向し、ボデー製造準備業務を行う。2015年からエンジニアリング革新部プロセス革新室でDF計測を担当。2020年から企画グループで、デジタル技術によるクルマづくりのプロセス改革を行っている。

「計測・データ準備」とは、どのような業務ですか?

自動車生産ラインの構築に際しては、例えば各工程にどのようなロボットや設備が必要か検討し、動作シミュレーションを行うなどの準備が必要です。これが製造準備業務と言われるもので、TPECでは様々なデジタル技術を用いることで、その効率化を進めています。こうした検討・検証の際に必要なのが、工場や設備の3Dデータです。TPECでは工場・設備に関する基本データをお客さまから収集し必要に応じて編集する「データ準備」業務や、工場や設備を様々な機器で測定し3Dデータ化する「計測」業務を行っています。

計測技術の活用事例を教えてください。

計測技術は様々な場面で活用されています。中でも、お客さまから提供された工場の図面を3Dデータ化した後、レーザースキャナーなどを使って工場内を計測し、現地現物データの中で基データと差異がないか検証・補正する「デジタルファクトリー(DF)計測」は製造準備業務の第一歩となるもので、DF計測によって作成された工場・設備の3Dデータを使って、ロボット検討を始め、あらゆる検討が行われます。また、高精度のアーム測定器を用いて各製品を3Dデータ化すること(製品計測)によって、0.1ミリ単位で部品や組付の不具合を解析することができます。2021年からはAR(拡張現実)技術を組み合わせた計測も始めました。例えば、ロボットによる溶接打点は車両1台につき3000~4000カ所あるのですが、その位置が正しいかをチェックするために、これまでは図面を広げてピッチ(打点間の距離)を測り、それを実物と照合していました。その作業をAR技術によってボデーに打点位置を投影し、画面上で打点位置のズレをチェックできるようにすることで業務の大幅な効率化を実現しました。

計測業務の魅力は、どのようなところでしょうか。

空間や設備などが簡単に数値化・データ化できることが、計測業務の魅力です。また、スマホやデジカメなど身近な道具も"計測器"として活用できるため、普段からいろんなことを実験することもできます。例えば私は、子どもが作った工作物などをスマホで撮影して専用アプリを使って3Dデータ化し、保存しています。TPECでもオリジナルの計測器を開発・商品化していますが、必要な計測機能を自分たちで開発できることも、計測という業務の面白さだと思います。

どのような学生が計測業務に向いていると思いますか?

世の中には多くの計測器がありますが、自分たちの業務にジャストフィットするものは、なかなかありません。不足している部分は自分たちで開発するのか、別の機器で代用するのか、様々な可能性を検討するのですが、そのためにはまず使ってみることが必要です。計測業務に限らずですが、そのような好奇心が大切なのです。現状に疑問を持つことも必要で、DF計測に2時間かかっているなら1時間に短縮できないか考えてみる。今の技術に満足せず、さらなる改善を模索することは、広くエンジニアに求められていることだと思います。

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