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新たな技術をより良いクルマ作りに生かす!TPECの次世代技術開発とは?

こんにちはREALTPEC編集部です。今回は技術開発室にお邪魔して、お話を聞いてきました。近年進化が目覚ましいクルマ業界。その製造準備現場では、さまざまな新技術の開発が行われているらしい…。興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

Y.S

2009年新卒入社。入社から9年間は愛知県豊田市で、車体の溶接や塗装工程のCAE解析を担当し、2018年から福岡本社にて技術開発室に所属。CAE解析を高度化するための計測ツール開発や、新規CAE解析手法開発を行っている。

TPECの事業における技術開発の役割を教えてください。

TPECには主な事業本部として2つ、デジタルCyberデータを活用し製品の品質を上げていくデジタルエンジニアリング本部と、その結果を活用し実際の工程Physicalを素早く、高品質に立ち上げるエンジニアリング本部があります。それら2部門で効率的なモノづくりが実現できるよう、デジタルツールやシステムを開発し提供することが、私たち技術開発本部の役割です。生産ライン工場を実際に作ったり改造したりする前にフルバーチャルで検討することで、やり直し期間やコスト低減に寄与することを目標に掲げ、トヨタ自動車様をはじめとしたグループ各社様、社内のニーズを受けながら、クルマ作りに使える次世代の技術開発を行っています。

実際のお仕事では、どんな技術開発を行っていますか?

例えば、伸び縮みすると光る性質を持つ特殊な塗料を使った応力の可視化システム開発です。TPECはこの技術をはじめて自動車分野の工場で活用、実用化しました。製造現場のロボット台座の劣化などは見た目で分からないことも多いのですが、塗料を塗るだけで「現物ではこの箇所に大きな力がかかっており、ひびや割れが起きやすい」等を把握でき、予防保全ができます。こういった新しい方法で実物に起きている現象を正しく把握することは、CAE解析技術の高度化にも重要なことです。トヨタ自動車様やグループ各社様、社内のメンバーに「本当にほしい技術ってどういうもの」と生の声を聞きながら、「じゃあこういうのがあると便利だね」と知恵を絞り、世間の新しい技術を取り入れ調べながら、より良いクルマ作りに活かすことが、技術開発者としての喜びだと思います。

これまで経験されてきた中で、印象深いお仕事はありますか?

クルマのボデーに塗料を塗って乾かす工程で、約200℃の乾燥炉の中でもサーモカメラで撮影ができるように、カメラを保護する耐熱ボックスを開発しました。クルマのボデーは複数の部品や材料で構成されているため部位によって温まりやすさや膨張のしやすさが変わります。そのため、乾燥炉の中のボデーの温度分布を撮影し、CAE解析と組み合わせることで、熱膨張ムラによる不具合を把握、対策することができます。開発の過程では自社の実験施設でメンバーと何度も基礎実験を繰り返し、ようやく現象を撮影することができました。私はそれまでも乾燥炉のCAE解析に携わってきたのですが、個人的にそういった温度分布の実映像を見たことがなかったことから、初めて見た時は感動したのを覚えています。現在は、実用化に向けた使い勝手の向上を図っています。

どんな学生がTPECの技術開発に向いていると思いますか?

技術開発と聞くと、「もともと専門的な知識が必要」だとか、「難しいことをやっている」というイメージを持たれやすいかと思います。実際に私のグループでは熱力学関係の知識が必要だったり、他のグループでは光工学関係の知識が必要だったりと、携わるテーマによって必要なことは変わってきます。つまり、入社の時に特別な専門知識を有することは必須ではありません。新しい知識は都度学ぶ必要があるため、メンバーも日々勉強をしながら開発にあたっています。どんな勉強をしてきたかよりも、純粋にモノづくりを楽しみ、既成概念にとらわれず自由な発想で提案できる人が向いていると思いますよ。

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