こんにちは!REALTPEC編集部です。今回は、実際にクルマの生産ラインをつくるお仕事を調査してきました!そこにはどんな苦労があるのか。現場でラインをつくり上げるやりがいとは?いろいろと伺ってきました!
2007年8月に中途入社。一貫して製造準備支援業務に携わる。入社後5年間はトヨタ自動車株式会社に出向、その後2年間はトヨタ自動車北海道株式会社へ出向。2014年より現在の業務に従事。トヨタ自動車株式会社元町工場の敷地内にあるTPEC元町オフィスで、足回り部品であるアクスル車軸の加工・組付生産ラインの製造準備支援をしている。
現在は、足回り部品であるアクスル生産ラインの、構想検討から設備仕様決め、設備導入、ライン構築までを担っています。具体的には、いかに『作業者にとって安全な作業ができる』『決められた数を決められた時間内で加工・組付ができる』『品質(精度)の良い』『コストを抑えた』ラインを構築するかを、トヨタ自動車様の関係各部署と構想検討していきます。そこから設備仕様が決定したら、加工機や組付機を作るメーカーや搬送ロボットを作るメーカーなど、各分野のプロに設備を発注。検討してきたレイアウト通りに設備を配置し、一連の流れを作り上げます。その生産ラインが安定的に生産できることが確認できたら業務完了です。構想検討から生産ライン構築まで、1プロジェクトおよそ1年かけて行っています。
私たちの業務は、トヨタ自動車様の生産現場の方だけでなく、設備の保全部署、品質を確認する担当部署、工場全体を管轄する技術員の方などと意見を突き合わせながら進めます。私が作った仕様書(素案)に対して、「これは良い」と言われる時もあれば、「全然ダメだ」と言われる時もあり、場合によっては意見がぶつかることもあります。それは互いに「いい生産ラインを作りたい」という想い、プライドがあるからこそ。一人の考えに偏ることなく、みんなの意見をまとめながら進めるのが大切な仕事でもあります。また設備メーカー様も部品によっては複数社であったりするので、何度もコミュニケーションを取りながら最善のラインを検討していく必要があり、そうした苦労があるからこそ、無事に完成した時には大きな達成感を感じます。
HV車用のアクスル製造ラインを自分で1から構築した時です。立上時は、広大な何もない工場の中にラインを引いていきました。部品をセットする時にロボットが干渉したり、図面通りの精度が出なかったり...かなりのトラブルがありました。約1年半後、ラインが実際に動き出した時は、感動して涙が出そうになりました。その数年後に担当したSUV車用のアクスル製造ラインの立上げも印象的です。旧型の生産終了に伴い、同じ設備を使って新型に合わせた設備改造を行う計画でした。普通は工事期間が数か月かかりますが、その時は半分以下の納期で立上げる計画。いかに効率よく進めるか、社内メンバーと事前の段取りを綿密に組みましたが、それでも一筋縄ではいきませんでした。が、数々のトラブルを乗り越え、なんとか納期までにやり遂げました。トヨタ自動車様の方から「TPECだからなせる技」とお褒めの言葉をいただき、非常にうれしかったのを覚えています。
一番は、周りとコミュニケーションを取るのが好きな人だと思います。私は人と関わるのが好きなので、モノを実際に見ながらみんなと一つの目標を立ててやり遂げる事に大きなやりがいを感じます。あと、やりにくい作業をそのままにするのが嫌いな人。『工程整備中に多発したやり直しを減らしたい!』と、2年ほど前からデジタルエンジニアリングを担うメンバーに相談し、デジタル技術を習得。デジタル上で事前検討する事により、リアルでの問題が激減しました。このことから、他メンバーにも同じように習得してもらい、今後スムースに業務遂行できるように、メンバー全員で日々改善に取り組んでいます。また、レイアウト検討時には、現場作業員の方が1日に何千回も同じ動作をすることを踏まえ、ムリ・ムダ・ムラの無いレイアウトを徹底的に検討しています。そんな性格なので、日常でも家事動線を改善するのがとても好きですね(笑)